「収納は多ければ多いほどいい」。
家づくりの初期にほぼ全員が言うことで、私もそう思っていました。でも、実際に住んでみて分かったのは、「量」より「配置と戻しやすさ」が圧倒的に重要 ということです。
この記事では、延床30坪台の中で 収納が足りて、散らからず、戻しやすい 家を作るための現実解を、実体験ベースでまとめます。結論から言うと、鍵を握るのは ファミリークローゼット(FCL)・シューズクローク(SCL)・パントリー の3点です。
この記事で分かること
- 収納の「量」ではなく「戻しやすさ」で決める理由
- FCL・SCL・パントリーの最適帖数と配置
- 延床に対する収納率の目安
- 後悔しないための打ち合わせポイント
前提|収納率10〜13%が関西の現実ライン
住宅の収納量は、延床に対する収納面積の比率(収納率) で測ります。
- 収納率 8%以下 → 足りないと感じる家が多い
- 収納率 10〜13% → 過不足なく暮らせる関西の標準ライン
- 収納率 15%以上 → 快適だが、その分LDKが狭くなる
延床36坪なら、収納率12%で 約4.3坪(8.6帖) が収納に割り当てられる計算です。この8.6帖を どこに分配するか が、収納計画の本丸です。
鍵を握る3カ所|FCL・SCL・パントリー
住んでみて強く感じたのは、この3カ所の配置と帖数で収納の満足度が8割決まる ということでした。それぞれの最適解を見ていきます。
1. ファミリークローゼット(FCL)|3〜4帖
家族全員の衣類をまとめて収納する部屋。
- 2人家族 → 2帖でOK
- 3〜4人家族 → 3〜4帖が最適
- 5人以上 → 5帖以上、または寝室ごとのクローゼット併用
4人家族で3帖を切ると、季節外の衣類・布団・家電 が入りきらなくなります。4帖あれば余裕があり、10年後に子どもが増えた私服にも耐えます。
配置のコツは 洗面脱衣 → FCL → 寝室の動線上 に置くこと。関連記事の 家事動線を最短にする水回り配置 と合わせて設計すると、毎日の動線が劇的に楽になります。
2. シューズクローク(SCL)|2〜3帖
玄関脇の土間収納。靴・傘・ベビーカー・アウトドア用品を集約します。
- 靴メインで十分 → 1.5帖
- 傘・ベビーカー・アウトドアまで収納 → 2.5〜3帖
- 自転車・三輪車も入れる → 3帖以上
3帖あれば、関西の一般的な家庭の玄関まわりの物はほぼ全部収まります。2帖を切ると傘立てが廊下にはみ出す のが現実です。
可動棚を天井まで使い切ることと、コンセント1口(電動自転車充電・クリーナー用)を入れておくと、あとから「足りない」と思う要素を潰せます。
3. パントリー|2〜3帖
キッチン脇または背面の食品・調理器具・日用品ストック収納。
- 食品ストックのみ → 1.5帖
- 日用品・災害備蓄まで含める → 2.5〜3帖
- 大型家電(キッチン家電ストック)も置く → 3帖以上
関西のように コストコ・業務スーパーでまとめ買い する家庭なら、3帖欲しい というのが正直な実感です。2帖を切るとストック量に上限が生まれ、買い物頻度が上がります。
収納を「戻しやすく」するための設計原則
いくら帖数を確保しても、「戻すのが面倒な収納」は結局散らかります。戻しやすい収納にするための原則を3つ挙げます。
原則1|使う場所の「半径3m以内」に置く
- リビングで使う物 → リビング収納
- キッチンで使う物 → パントリー or キッチン背面
- 洗面で使う物 → 洗面横の収納
- 玄関で使う物 → シューズクローク
「2階の納戸にまとめて収納」は、最初の1年は使うが、2年目以降は誰も使わなくなる 収納の典型です。使う場所の近くに分散配置するほうが、量が少なくても圧倒的に回ります。
原則2|扉を減らす/引き戸にする
開き戸は 開ける→物を出す→閉める の3動作が必要です。これが1日30回続くと、結構な面倒です。
- オープン棚 → ワンアクション
- 引き戸 → 片手で開閉
- 開き戸 → 両手必要、戻すのが面倒
見た目は開き戸がスッキリしますが、毎日使う収納ほどオープン or 引き戸 に寄せるのが正解です。
原則3|「浮かせる・つる・掛ける」を標準にする
床に置く収納より、壁に掛ける・天井から吊る 収納のほうが、掃除が楽で散らかりにくいです。
- パントリーの可動棚は 最下段を床から30cm以上空ける(掃除機がかかる)
- 玄関土間は 靴を床に並べず、可動棚に収納
- FCLはハンガーパイプをメインに(畳む作業を減らす)
収納率をLDKに振り替えてはいけない3つの理由
打ち合わせで「収納を減らしてLDKを広げたい」という話がよく出ます。気持ちは分かりますが、収納率を10%以下に削るのは長期的に見て損 です。
- 家具が増える:収納不足の家は、タンス・チェスト・カラーボックスが追加投入され、結局LDKが狭くなる
- 生活感が見える:物の置き場がないと床・カウンターに置かれ、来客時に一気に散らかる
- 掃除頻度が落ちる:物が多い部屋は掃除のハードルが上がり、衛生面でも悪循環
LDKを1帖広げるより、収納を1帖増やしてLDKを使いやすく保つ ほうが、10年住んだ満足度は高い、というのが実感です。
延床別・収納配分の目安
関西の実勢プランをもとに、延床別の配分例をまとめます。
延床 33坪(収納率12% = 4坪 = 8帖)
- FCL:3帖
- SCL:2帖
- パントリー:1.5帖
- その他(押入・リビング収納):1.5帖
延床 36坪(収納率12% = 4.3坪 = 8.6帖)
- FCL:3.5帖
- SCL:2.5帖
- パントリー:2帖
- その他:0.6帖
延床 40坪(収納率13% = 5.2坪 = 10.4帖)
- FCL:4帖
- SCL:3帖
- パントリー:2.5帖
- その他:0.9帖
打ち合わせで使える質問5つ
- 「この間取りの収納率は何%ですか?」
- 「FCL・SCL・パントリーそれぞれの帖数を教えてください」
- 「各収納の可動棚は天井まで使い切れますか?」
- 「パントリーの最下段は床から何cm空いていますか?」
- 「10年後・20年後の荷物の増え方をどう見込んでいますか?」
5つ目に対して 具体的な事例 で答えられる設計士は信頼できます。「お客様次第です」で終わる場合は、設計経験が浅いか、設計事例の蓄積が乏しい可能性があります。
まとめ|「配置」と「戻しやすさ」が収納の8割
- 収納率は延床の10〜13%が関西の現実ライン
- FCL3〜4帖・SCL2〜3帖・パントリー2〜3帖で家の収納は8割決まる
- 使う場所の半径3m以内に分散配置する
- 扉を減らす/オープン棚と引き戸を活用する
- 収納を削ってLDKを広げるのは長期的に損
収納は 家づくりで一番「あとから足せない」要素 です。打ち合わせの初期に、家族全員の持ち物をざっくり棚卸しして、どこに何を置くかを設計士と一緒に描き込んでおくと、10年後に大きく効いてきます。
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※記載の帖数・収納率は筆者の実体験と関西圏の複数事例をもとにした目安です。敷地・家族構成・ライフスタイルで最適解は変わります。
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